2018/3/8第1回関東ゼミ終了しました。

2018年自立循環型住宅研究会関東ゼミ第1回無事終了しました。

2018年の計画をどうするか考えるにあたり、あの伝説的新聞の『野池新聞』の特に解説して欲しい部分を講師の野池政宏さんに伝えて、それを快諾いただき「熱移動のキホンを詳しく復習」という運びになりました。

伝導、対流、放射だけで4時間!

ニッポンひろしと言えど熱移動の3要素だけでこれだけの時間を話せる人はいないのではないでしょうか^^

わたし的には対流の話が非常に腑に落ちました。

対流のイメージは温められた空気が密度が軽くなり上昇して、冷やされ重たくなり下降するとのグルグルの繰り返しイメージであったわけで、確かに色んなテキストもそのイメージです。

野池さん著書「省エネ・エコ住宅設計究極マニュアル」にもその記載があります。

ただ、それは正解の様で厳密にいうと少し違っていて、温かい空気が壁や天井に当たりそこで直接個体同士に触れて伝導が起こり、奪われた熱で冷めて重たくなり下降するというのが正解で、その一連のグルグルがあの対流イメージに結果なっているのだと。

真空は空気が無いので対流と伝導は無いが放射はあるので、完全に熱を移動させないかと言えばやはり熱の移動はある。

その応用的考えから、遮熱シートを張って冷放射をカットしようと考えていても、対流が起こり、対流が起こるという事は先の話からも伝導も起こり結果やはり熱移動は起こっているので遮熱シートだけで断熱するのは無理があるし、そもそも内側に入れても効果は限定的にならざるを得ないと。
なるほどなるほど。

空気温度と表面温度は違うし、表面温度差から熱移動は起こる

夏の外気温は高くなって40℃だとしても、その40℃が例えば外壁から熱移動で中に侵入するわけではなく、空気40℃で温められた外壁表面温度が60℃近くになり、そこから伝導・放射・対流で中に侵入してくるのだと。

屋根表面温度は更に高い。

故に、断熱材は夏にも分厚くすればするほど有効であるという説明がここでつくんですね。

だれも読めなイータ(η)もしっかり解説

25年度基準からこれまでのμからηに変わりました。

UA、ηAC、ηAHを三大性能と呼び、この数値算出条件は”野原の一軒家”での状態で周辺に建物が一切ないので日射の影響が全くない状態の家って現実には考えられず、この数値そのものズバリが正しいとは言えないと。

UA算出の為にそれぞれの部位を計算します。その式に必ずηを掛けるわけですが、屋根は0.034、ところが窓は桁が一つ違っていて例えば0.64。

これだけ見ても窓の日射影響は良くも悪くも絶大なわけですよね。

 

恐るべし!7地域

方位係数は煖房期冷房期それぞれの方位・地域区分別に設定されていて、暖房期の日射熱取得は最大限高めなくてはいけませんが、ナント7地域の冬の南は「1」を超えています。

他の地域も南の数値が他方位に比べて高いのでやはりこれを利用しない手はありません。

UAvsQ

H25年からUAが外皮性能基準になりQが消えたわけではありませんが、表面に出ずらくなってしまいました。

しかし、Qも重要でむしろUAよりもQの方が重要度で言えばQの圧勝であると。

画像にもあるように表面積合計をして割るので表面積が大きいとUAが小さくなりやすく、これではトータルの熱損失が増えてQで計算すると倍以上になってしまう。

更に、換気による熱損失が考慮されない。

UAでは本来の温熱性能がわかりずらくなってしまう。

ナノデ、プロはUAとQもしっかり理解していなくてはならないと。

蓄熱もチラッと。

時間の関係上蓄熱に関しては深堀できませんでしたが、それでも”熱の貯金”という表現で蓄熱の効果とそれを意識したモデル実測を披露いただきました。

 

 

とにかく濃厚すぎるこの内容も一度ならず何度でも聴く価値大でございます。

 

野池さん本当に有難うございました。

ギッチリ勉強の後はガッツリ酒♪

恒例お楽しみ懇親会はいつもの通り参加率8割越え!

皆さん、本当に楽しんでいただけるのでとても嬉しいです。

 

次回は5月22日野池さんによる『温熱環境における話題を整理整頓』です。

今後の家づくり温熱分野の重要な指針をお話しいただきますので絶対見逃せませんよ~!