2012年

10月

17日

2012/10/16 第4回関東ゼミ 実測・分析事例発表&ワークショップ【報告】

今年最後の関東ゼミ無事終了しました。

今回は50名近い方のご参加。思えば、1年目の関東ゼミ事例発表のときは30名集めるのに”やっと”でしたので、3年目に少し定着したのかなと感じております。

発表者6名でどなたもとてもおもしろいテーマと内容でした

①「Q値4.0のいえ〜狭小住宅の夏冬」・・・滝川良子さん/スピカ建築工房一級建築士事務所

②「都市部にある3階建住宅の温熱環境」・・・尾崎誠一さん/(株)参創ハウテック

③「深い軒と”く”の字の家、日射遮蔽効果はいかに?」・・・海老原綾さん/(有)都研 海老原綾建築設計スタジオ

④「遮熱フィルムだけで断熱効果はあるのか?冬の測定&考察」・・・工藤健志さん/建築デザイン工房蓮家

⑤「『エコハウスのウソ』ってホント?!」・・・坂崎有祐さん/有建築設計捨

⑥「屋根をあけちゃった」・・・阿式信英さん/(株)参創ハウテック

滝川良子さん

トップバッターの滝川良子さん。

都内ご自宅建て売り物件を買って暮らしていて、温熱環境がとにかく悪いが改善方法があるのかどうか?

冬、本当に寒いのか?1階の脱衣所は外気温と変わらない・・・やはり寒い。また、湿度も浴室の換気扇がうまく機能していないせいか、湿度の振れ幅はかなりある。

夏、本当に暑いのか?3階は35度を超す。確かに暑い。

夏の壁表面温度を測定。2Fで33.1℃、3Fで37.5℃と部屋温度をほぼ同じことがわかったので、この表面温度をさげるだけで少しは涼しく感じるのではないかと壁に扇風機をあてたところ、体感的に涼しく感じたので、この方法は効果的という結論を得た。

今後の対策として、開口部に断熱ブラインドを施すとQ値4.1➡3.76と性能up

夏にはすだれやグリーンカーテンを施しμ値0.108➡0.082まで下げることが数値的にわかった。

 

発表終了後に参加者から質疑応答。

次に尾崎誠一さん。

Googleスケッチアップや風量シュミレーションソフトを駆使してとにかくビジュアル的にわかりやすいプレゼンで会場からは感嘆が漏れる雰囲気でした。

都心のど真ん中でいかに卓越風を読んで取り込みするかをシュミレーションでやってはみたものの、やはり現実はそう簡単に行かなかったと。

8月15日15時頃不在にも関わらず、湿度がぐっと下がる時間帯があり、原因を考えてみたところ、ビルの谷間からの西日がこの時間帯1階にビシッと入り、室温がグッと上がる為に、相対湿度がそこだけ下がるのだろうと原因究明されました。

 

次は海老原綾さんなのですが、体調不良のため、私(吉田)が代役を務めさせていただきました。

タイトル通りの深い軒のおかげで、μ値0.029とかなり日射遮蔽が期待される設計で、その実力通りで、夏場の2階で無冷房の部屋でも最高で33℃満たない結果になっていて、湿度も80%を超えない程度で、不快指数も低くなっていました。

直接的に数値との因果関係に結びつかないかもしれませんが、珪藻土や羊毛断熱材の調湿建材も何らかの寄与はあるのではないかとも。

続きまして、昨年から2年連続で発表いただいた工藤健志さん。

8mm程度の遮熱材だけの家で、断熱材は無し!昨年は夏の結果発表では遮熱材だけあって、効果はしっかり見えました。

今年は最も注目される「冬」のデータ。−10℃近い外気温度でも、室内温度0℃をキープしていた。温室効果か遮熱材の冷輻射反射かはっきりしない部分もあるが何らかの効果はあるだろうと。蓄熱効果はほぼ得られないことが分かったのでやはり夏に有利な材料と言える。今後は断熱材との上手なmixを検討していくと面白いだろうと。

 

岐阜からかけつけてくれた自立研本部事務局の坂崎有祐さん。

『エコハウスのウソ』を読んで自分が設計した物件がNG例に似ていたという切り口から発表。当然、NGをやらないエコハウス設計でしたのでしっかりエネルギー削減も出来ていましたと。本部事務局長だけあって、しっかりパッシブデザインが組み込まれた設計でしたね。

トリをつとめるのが、阿式信英さん。

「ヤネあけちゃった」というインパクトのあるタイトルをひっさげでの発表。

東京目黒の住宅密集地でいかに採光を取るかということにしっかりシュミレーションをかけ、更に、1階からの風をどういう風に受けるのが良いかも色んなパターンでシュミレーション。

天窓は採光には有利だが、夏場に不利を解消すべく日射遮蔽にも工夫をした結果、しっかり日射遮蔽も出来て温度上昇を抑えることが出来ました。

その後6人の発表者を囲むべく、6班に分かれてのワークショップ。

 

終了後、各班の代表者が班の議論内容を発表。

 

今年も色んな発表とワークショップが出来ました。発表者の皆様、参加者の皆様有り難うございました。

 

来年も有意義な会になりますようスタッフ一同つとめますので、何卒宜しくお願い致します。