会員の活動

研究会会員の活動

 自立循環型住宅研究会は「省エネ×快適となる住まい」の実現を目指して、次の試算と実態調査を行っています。

 現在、住宅の省エネ・省CO2性能を設計段階でシミュレーションし試算する方法として「自立循環型住宅の設計ガイドライン」などがありますが、実際の生活におけるエネルギー消費量やCO2排出量を把握・分析し、設計段階で算出したシミュレーション結果と比較検討し、新たな住宅設計・建設に活かす公的な手法は、現在ありません。

 そこで、自立循環型住宅研究会の会員は自主的に次の内容を実施し、設計段階での省エネシミュレーションとともに会員各社が提供する住宅での実際のエネルギー消費量を把握する努力を自主的に行っています。
 また、省エネ・省CO2性のみでなく、住宅で生活する上で重要な温熱的快適性についても、実際の住宅で温湿度を測定し、設計内容と実際の温湿度状況を比較し分析することで、次の設計に活かし、よりよい快適性能を備えた住宅を提供する努力を行っています。

 また、これらの活動で得られたことを各メンバーの住まいづくりに役立てるほか、会員全体でその情報を持ち寄り共有することで「省エネ×快適」レベルのさらなる向上を目指し活動を行っています。


【会員が取り組む活動内容】

各会員が実際に設計・施工した住宅を決め、

<1> 自立循環型住宅設計による省エネ試算を行う

<2> 温熱環境簡易調査マニュアル(2007年5月12日現在 ver.1-2)に基づいて、
    生活時の室内の温度・湿度環境を調査する

<3> 温熱環境についてのアンケート(2007年5月12日現在 ver.1-2)を使い、
    住まい手にアンケートを行い、生活時の快適性の実態を調査する

<4> その物件での生活時のエネルギー消費量を調査する

<5> 以上を試算、調査した各人各社がその結果を分析して、メンバー間で
    「省エネ×快適」の実現に関する情報交換を行う


この <1>実物件での省エネ試算 ⇒ <2>その室内環境調査 ⇒ <3>快適性の実態調査 ⇒ <4>エネルギー消費量調査 ⇒ <5>分析 というサイクルを行い、
そこから分かることを次の物件の設計・施工に反映させることによって、
実際に省エネで快適となる住まいづくりに取り組んで頂いています。


また、<5>の場として、自立研ではこれまで春・秋と年2回のフォーラムを開催し、
そこで上記を実践された会員の方々からその事例を発表して頂いてきました。
さらに、省エネと快適について理解を深める為に、参加者全員でそれらの実物件を題材に、
意見交換を中心としたワークショップを行ってきました。
このフォーラムは延べ6回、発表事例は約40物件にもなりました。

※フォーラムの様子などはこちら http://www.jjj-k.com/2009cgi/gallery/archives/7.html


 更にこの活動は昨年末のフォーラムから少し形式を変えて、『自立研アワード』
という賞を創り、コンテスト形式にすることで、参加する方もより楽しんで頂ける形に変えました。そして今年もこの活動を展開していきます。

 

■調査・分析を助ける、自立研提供の各種ツール

自立研から会員へ提供しているツールには次のようなものが有ります。

1)自立循環型住宅評価ソフト
  通常手計算による自立循環型住宅の試算評価をエクセルで自動化させ、更に内容を強化

2)温熱環境簡易調査マニュアル・アンケート
  建物内の温熱環境を把握する為の会員で統一された調査方法

3)温湿度実測データ 分析プログラム
  実測した実物件の温湿度データを見やすくし、建物内の温熱環境を分析しやすくするツール

4)表面温度実測データ分析シート
  実測した実物件の各所表面温度を分析しやすくするツール

5)環境家計簿
  生活時のエネルギー消費量から、各家族状況を加味した省エネ性や省コスト性を把握するツール

6)自立研版 温熱環境を解く
  実務者にとって必要十分な温熱環境の情報を自立研会員の有志でまとめたテキスト

7)住まい方ガイド(夏版・冬版)
  省エネで快適な住まいとなるためには、住まい方のアドバイスも重要

8)野池版暖房負荷計算プログラム
  部分間欠暖房を前提として最大暖房負荷や被弾防湿の室温を試算できるプログラム

 

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左図:温湿度実測データ分析ツール  中図:自立循環型住宅評価ソフト  右図:環境家計簿