2013/10/8関東ゼミ第4回様々な評価・分析・検証・事例発表

今年最後の関東ゼミ事例発表終了いたしました。

今回も6名の方に発表いただき、大変内容の充実した素晴らしい会となりました。

トップバッターは長野県松本市から(株)国興の福田和治さん。

『断熱改修外壁ビフォアーアフター~冬寒夏熱で居場所がなくなる家~』とまさにTVのようなトーンからお話がスタート。1990年竣工の冬寒夏熱の家、Q値5.21W/㎡Kの家を外壁とサッシをはずしでそこの調湿性のある羊毛断熱材と2.33W/㎡Kのサッシに変更してQ値2.66W/㎡Kへ。

また、設備機器も高効率にし、太陽光発電4.2kwも搭載した。

この家の検証をしたら夏期はエアコンなしで30℃を超えない、特に2階は19時ごろ外気温が下がってから窓開けで温度が下がる。

冬期は外気温はマイナスだが、暖房ををつけて20℃近くをキープできている。

1985家族判定では消費エネルギー75.8%、消費電力76.1%と50%には届かないもののいい線までは来た。

今後の課題として部屋間の温度差解消や床下の断熱防湿を挙げられていました。

2番バッターは東京都の遠野未来建築事務所の遠野さん。

『草屋根吹き抜けのエコハウスはウソ?ホント?』というテーマ。土をこよなく愛する遠野さんが手掛けた神奈川県三浦市の新築物件を検証。のっけから、前先生がダメ出しするエコハウスの典型のような家ですと。断熱性能はQ値2.87W/㎡Kと次世代省エネを若干したわまわる仕様で、内部間仕切壁は曲線を描く土壁30mm。この蓄熱効果も実証したいところ。

結果は夏は高いところで30数℃、冬は薪ストーブ効果で、2階が20℃近くなり、1回南面の土間は蓄熱効果により明け方は他の部分より2~3℃高くなっていた。

今後の課題としては土壁の蓄熱性能を上げる、実際30mm程度の土壁では熱容量90KJ/㎡Kで推奨基準の170kJ/㎡Kには程遠い。

南面の大ガラスには日射遮蔽の施しを、冬の2階に上がった暖気の有効利用、草屋根は効果はあったが、70mmでは薄い等々挙げられていました。

3番手は岐阜県中津川市の中島工務店の中島創造さん。

『身の回りにおける温度変化の実態』というテーマで、建物性能・シュミレーションの前段階として温熱環境に触れて触れて貰えるもの=コミュニケーションツールをつくっていただきました。

中島さんは体のいたるところへ温湿度データロガーをつけて、身の回りに起こるあらゆる温湿度変化を記録。劣悪な性能の家に住んで、自分がどれほどの過酷な状況にいるかを具体的数値で示し、こういう側面で施主に温熱をわかりやすく伝えるためのツールです。

身近な危険として、冬の寝室をはかり、体に付けた=ふとんの中の温度と、寝室の温度差がなんと36℃もピークで開いています。

今後は東京の全地下鉄に乗って、その温湿度状況を調べてみようかと目論む中島さんの発表でした。

4番バッターは群馬県みどり市、松島匠建の松島克幸さん。

『あの館林にパッシブデザインは通用するのか!?~真夏の実測と考察~』で最高気温40℃を超える日を記録する館林でどれくらいの結果が出たかを発表いただきました。

Q値1.8W/㎡K C値0.6㎠/㎡と高気密高断熱に加え、軒・庇を出し、日射遮蔽対策も施された環境でどのような温湿度結果になるのか。在宅日と不在日で比較すると、在宅ではエアコン28℃設定でほぼ28℃をキープ。2階はエアコンを入れてないのでピークで35℃近くも。不在時ではエアコンなしで1,2Fとも30℃越え、湿度も70%台一定。

不快指数から28℃絶対湿度22gがそのボーダーか?あの館林でエアコン1台で使用量も比較的少なく住んで、この性能は真夏の館林でも十分通用したと松島さん。

5番手は神奈川県川崎市の森建築設計・森健一郎さん。

『屋根遮熱シートの効果を検証してみた』というテーマでご自身がてがけた4棟を遮熱シート有り無しの区別で実証していただきました。

結論としては効果はあまり見えない。それよりも開口部の遮熱と屋根通気層の確保のほうがよっぽど重要かも。ただし、平屋の屋根断熱・遮熱は少し影響あるみたい。

その根拠として、別物件での測定では外気温32℃、屋根表面50℃、野地板裏面37~40℃に対して、通気層下板裏面32℃、GW袋内30℃という結果が出ているとも考察いただきました。

トリをつとめていただいたのはサカボン住環境(株)・関泰良さん。

『予測と実測』という極めてシンプルで大人しいタイトルだったのですが、蓋をあけると、とんでもない^^

非常に多くの要望を持った施主に対してどこまでそれに応えられるか?

所沢市の狭小地の断面計画からモデル化させて温熱シュミレーションをかけた。冬場の対策として「集」⇒「畜」⇒「断」という優先順位でどこまで快適ゾーンに近づけられるか?

ノーマルプランQ2.7W/㎡Kを「じぇ」

集(集熱)10%開口率をあげた「じぇじぇ」

畜(蓄熱)熱容量を60%あげた「じぇじぇじぇ」

断(断熱)断熱性能を1.83W/㎡Kまであげた「じょ」

と4段階の比較。結果は「じょ」がもっとも快適ゾーンにあてはまったと。

とてもユニークでわかりやすい発表をしていただきました。

そして、6名発表者を囲んで6班に分けてのワークショップ。非常に盛り上がりました。

そして、各班を代表して1名が議論内容を発表。

大いに盛り上がった関東ゼミ第4回でございました。

発表者の皆様、参加者の皆様、有難うございました!

来年もこれで締めくくりたいと思いますので、是非参加宜しくお願いします。

 

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コメント: 2
  • #1

    tu zobacz (土曜日, 04 11月 2017 01:53)

    zaczepowy

  • #2

    wróżka (金曜日, 17 11月 2017 20:45)

    papierkowość